menu
シャボン
シャボン
お知らせ一覧

不妊治療の採卵とは?当日の流れと痛み、採れる卵子の数について解説

体外受精を進めるうえで、多くの方が最も緊張するのが採卵です。針を刺すと聞けば不安になるのは当然ですし、当日どう過ごすのか、何個くらい採れるのか、仕事は休むべきなのか、わからないことが多い処置でもあります。

結論からお伝えすると、当院では静脈麻酔を使用しますので、処置中の痛みはほとんどありません。所要時間も10分から20分程度で、その日のうちにお帰りいただけます。

このコラムでは、採卵とはどのような処置なのか、当日の流れ、痛みの実際、採れる卵子の数、そして採卵後の過ごし方までをご説明します。

採卵とはどのような処置か

採卵は、卵巣の中で育った卵胞から卵子を取り出す処置です。体外受精(IVF)や顕微授精を行うための最初の関門にあたり、採卵術とも呼ばれます。不妊治療のなかでも、生殖補助医療に特有の工程です。

自然な月経周期では、複数の卵胞が育ち始めても、最終的に排卵に至るのは通常1個だけです。体外受精では、排卵誘発剤を用いて複数の卵胞を同時に育て、排卵が起こる直前に卵子を回収します。

処置は、腟から超音波の器具を挿入し、画面で卵胞の位置を確認しながら細い針を刺して、卵胞の中の液体ごと卵子を吸引するという流れです。この針を刺す操作を穿刺(せんし)といいます。

回収した卵胞液は、その場で培養室へ運ばれ、顕微鏡で卵子の有無をチェックします。卵子が見つかれば、精子と受精させる工程へ進みます。顕微授精の場合は、1個の精子を卵細胞質内に直接注入します。

採卵までのスケジュール

採卵は月経周期に合わせて進みます。おおまかな流れは次のとおりです。

時期行うこと
月経開始前後前の周期からホルモン剤で排卵のタイミングを調整(方法による)
月経2日目から3日目診察と血液検査を行い、排卵誘発を開始
月経7日目前後超音波検査で卵胞の発育を確認。薬剤の量を調整
月経10日目前後卵胞が18ミリから20ミリ程度に育った時点でhCG注射
注射から34時間から36時間後採卵

排卵誘発の方法には、ロング法、ショート法、アンタゴニスト法などがあります。卵巣予備能の目安となるAMHの値やこれまでの治療歴をもとに、その方に適した方法を医師が選択します。卵胞をあまり刺激せず、自然に近い形で進める方法もあります。

採卵日は、卵胞の成長の具合によって決まります。予定より数日前後することがありますので、直前に日程が確定するとお考えください。この点が、お仕事との調整で最も難しいところかと思います。そのため、あらかじめ前後数日の予定に余裕をもたせておくと安心です。

なお、hCG注射から採卵までの34時間から36時間という間隔には理由があります。この注射によって卵子が最終的に成熟し、その先で自然に排卵が起こるためです。排卵してしまうと卵子は回収できませんので、その直前を狙って採卵を行います。

採卵当日の流れ

当日の一般的な流れをご説明します。

1.来院と準備

指定の時間に来院いただき、受付をお済ませのうえ、着替えと問診を行います。前日の夜からの飲食制限についてはあらかじめご案内します。

2.麻酔

当院では静脈麻酔を使用します。点滴から麻酔薬を投与し、眠っている間に処置が終わる形です。

3.採卵

経腟超音波で卵胞の位置を確認しながら、細い針で穿刺し、卵胞液を吸引します。左右の卵巣にある卵胞を順に採取していきます。所要時間は卵胞の数によりますが、10分から20分程度が目安です。

4.培養室での確認

回収した卵胞液から、顕微鏡で卵子を探します。卵胞の数と採れた卵子の数は一致しないことがあります。

5.休息と説明

処置後は院内で1時間から2時間ほど休んでいただきます。麻酔から覚めて状態が落ち着いたら、採卵の結果と今後の流れを医師がご説明し、帰宅していただきます。

精子については、同じ日に男性側で採取していただく必要があります。院内で採取いただくことも、ご自宅で採取して持参いただくことも可能です。どちらの方法を選ばれるかは、ご夫婦のご都合に合わせて決めていただけます。

痛みはどの程度か

採卵で最も多いご質問がこちらです。

採卵の痛みは、採る卵胞の数によって変わります。卵胞ひとつひとつに針を刺していくため、数が多いほど処置に時間がかかり、痛みを感じる場面も増えるためです。

処置中の痛み

静脈麻酔を使用した場合、処置中の痛みはほとんどありません。眠っている間に終わりますので、目が覚めたら終わっていた、という感覚に近いかと思います。

卵胞が1個から2個と少ない場合には、処置が数分で終わるため、局所麻酔で行うこともあります。麻酔を軽くすれば、当日の絶食や運転の制限といった負担も減らせます。どちらの方法で行うかは、卵胞の数とご希望をふまえて事前にご相談のうえ決定します。

麻酔の種類による違いは次のとおりです。

麻酔の種類特徴向いているケース
静脈麻酔眠っている間に終わる。痛みをほとんど感じない卵胞の数が多い、痛みへの不安が強い
局所麻酔意識がある状態で行う。回復が早い卵胞の数が少ない、短時間で終わる見込み

処置後の痛み

採卵の終了後は、生理痛のような鈍い痛みや、下腹部の張りを感じることがあります。多くは1日から2日以内に落ち着きます。痛み止めを処方しますので、必要に応じてご使用ください。

強い痛みが続く場合、痛みが増していく場合は、出血や感染の可能性もありますので、ご連絡ください。

採れる卵子の数について

採卵で何個の卵子が採れるかは、年齢と卵巣の状態によって大きく変わります。

卵胞の数と卵子の数は一致しません

超音波で見えている卵胞がすべて卵子を含んでいるとは限りません。卵胞は育っていても中に卵子が入っていないこともあり、卵胞が10個見えていて採れた卵子が7個、といったことは珍しくありません。

また、採れた卵子がすべて成熟しているとも限りません。未成熟の卵子は受精に使えない場合があります。年齢とともに卵子の数は減少していきますので、採れる個数もその影響を受けます。

数が多ければよいわけでもありません

多く採れれば、それだけ受精や培養で残る胚の数が増える可能性はあります。ただし、卵胞を多く育てるほど卵巣への刺激は強くなり、OHSSのリスクが上がります。

数と質は別の問題でもあります。年齢が上がると、多く採れても正常に育つ胚が少ないということが起こります。逆に、1個しか採れなくてもその胚で妊娠される方もいらっしゃいます。

採れる数が少ないとき

AMHの値が低い方や年齢が高い方では、採卵しても1個か2個ということがあります。この場合、卵巣を強く刺激せず、自然に近い形で採卵を再度行うという方針をとることもあります。基本的には、その方の状況に合わせて薬剤の量を調整していきます。

数が少なくても、そこから妊娠に至る道はあります。数字だけで判断せず、その方に合った進め方を考えていくことが大切です。

採卵後の過ごし方と注意点

当日の過ごし方

静脈麻酔を使用した日は、車やバイクの運転はできません。公共交通機関でお越しいただくか、ご家族に送迎をお願いしてください。

処置後は激しい運動を避け、ゆっくりお過ごしください。入浴はシャワーのみとし、湯船につかるのは翌日以降にしていただきます。

仕事はどうするか

当日は休みを取っていただくのが安心です。翌日からは通常どおり過ごせる方が多いのですが、体調には個人差があります。特に卵胞を多く採取した場合は、腹部の張りが数日続くことがあります。

連絡が必要な症状

次のような症状があれば、ご連絡ください。

・強い腹痛が続く、または痛みが増していく
・出血が多い、または止まらない
・38度以上の発熱がある
・急激に体重が増えた、尿が出にくい、息苦しい

最後の項目は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の兆候である可能性があります。血管から水分が漏れ出すことで発生する症状ですので、早めのご連絡が重要です。

体外受精の副作用やリスクについては、こちらの記事で詳しくご説明しています。

採卵についてよくいただくご質問

Q. 採卵は入院が必要ですか

必要ありません。日帰りの手術として受けていただけます。処置後に院内で1時間から2時間ほど休んでいただき、状態を確認してからお帰りいただきます。

Q. 採卵の費用はどのくらいですか

保険診療の場合、当院では採卵から媒精までが2個から5個で33,000円です。これに診察料、薬剤費、麻酔料などが加わります。採卵できた卵子の個数によって金額が変わりますので、目安としてご覧ください。

Q. 採卵の日にパートナーの立ち会いは必要ですか

必須ではありません。ただし、麻酔を使用しますので、お帰りの際に付き添いがあると安心です。なお、精子を院内で採取いただく場合はパートナーの来院が必要です。

Q. 採卵は何回まで受けられますか

保険診療において、採卵の回数に制限はありません。制限があるのは胚移植の回数で、40歳未満の方は1子につき6回まで、40歳以上43歳未満の方は3回までとなっています。

Q. 採卵しても卵子が採れないことはありますか

まれにあります。卵胞は育っていても中に卵子が入っていない、いわゆる空胞というケースです。年齢や卵巣の状態によって起こりやすさは変わると報告されています。次の周期では採れることもありますので、1回の結果で判断しないことが大切です。

茅ヶ崎・鎌倉エリアの方にも選ばれている湘南レディースクリニック

採卵は、日程が直前に決まることが多い処置です。だからこそ、無理なく通える場所であることが、治療を続けるうえで大きな意味を持ちます。

湘南レディースクリニックは、JR・小田急藤沢駅南口から徒歩2分の藤沢本院と、JR辻堂駅北口から徒歩3分の辻堂C-X院の二院体制で診療しています。茅ヶ崎からは東海道線で辻堂が1駅、藤沢が2駅、鎌倉からは江ノ島電鉄または大船経由でアクセスいただけます。日曜日も体外受精と人工授精は完全予約制で対応しておりますので、採卵日が休日にあたる場合もご安心ください。

当院は、湘南エリアで初めて体外受精を導入した施設です。開院から19年目を迎え、累計の妊娠件数は5,300件を超えました。年齢別の治療成績も公開しております。採卵では静脈麻酔を使用し、体への負担を抑えた処置を心がけています。卵巣の反応を観察しながら薬剤を調整し、OHSSの予防にも努めています。

胚の培養や凍結保存の設備も院内に備えており、採卵から受精、培養、凍結した胚の融解、そして子宮への移植までを一貫して行える体制です。流産を繰り返す不育症の診療にも対応しています。

はじめて採卵を受けられる方も、不安な点があれば医師やスタッフへお気軽におたずねください。何をどう行うのかを具体的にご説明したうえで、負担を軽減できる進め方を一緒に考えてまいります。ご予約はお電話またはWEBから承っています。

アーカイブ