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体外受精で転院を考えたら|不妊治療中に転院するタイミングと手続き、注意点を解説

体外受精を続けているけれど、なかなか結果が出ない。説明に納得できないまま次の周期に入ってしまう。通院の負担が大きくて続けられそうにない。

そうした不安を抱えながらも、転院に踏み切れない方は少なくありません。これまでの経過が無駄になるのではないか、今の医師に伝えづらい、手続きが面倒そうだ。ためらう理由もまた、いくつもあります。

ただ、不妊治療には時間の制約があります。迷っている期間そのものが、選べる選択肢を狭めてしまうこともあります。

このコラムでは、転院を検討する目安、判断する前に確認しておきたいこと、実際の手続きと持参するもの、そして注意点までを整理してご説明します。

転院を考えるきっかけとして多いこと

転院を考える理由は、大きく次の4つに分かれます。

結果が出ないこと

複数回の胚移植を重ねても妊娠に至らない。同じ方法が繰り返されているように感じる。この状況が続くと、別の方針を試したいという気持ちが生まれます。

説明への不満

なぜうまくいかなかったのか、次はどうするのか。その説明が得られないまま次の周期に進んでしまう。質問しづらい雰囲気がある。こうした状態は、治療への納得感を損ないます。

通院の負担

待ち時間が長い、予約が取りにくい、自宅や職場から距離がある。採卵周期には数日おきの通院が必要になるため、この負担は治療の継続そのものに関わります。平日の通院がスケジュール的に難しいという声も多くいただきます。

環境の変化

引っ越しや転職によって、これまでの病院やクリニックに通えなくなるケースです。

このうち、結果が出ないことと説明への不満は重なって生じることが多くあります。うまくいかない理由が納得できる形で示されていれば、同じ結果でも受け止め方は変わるためです。

転院を検討したほうがよいケース

次のような状況にあてはまる場合、他の医療機関の意見を聞いてみる価値があります。

同じ方法が繰り返されている

体外受精は、うまくいかなかった周期から学ぶことがあります。卵巣への刺激が合っていなかったのか、採卵数が少なかったのか、受精しなかったのか、胚が育たなかったのか、着床しなかったのか。どこでつまずいたかによって、次に変えるべきものが異なります。

にもかかわらず、前回と同じ排卵誘発法、同じ移植の方法で進んでいる場合、方針の見直しが行われていない可能性があります。

検討したい検査や技術が行われていない

着床がうまくいかない場合、着床に適した時期を調べる検査や、子宮内の細菌のバランスを調べる検査を組み合わせることがあります。顕微授精では、卵子への負担を抑えるPiezo ICSIといった技術もあります。胚の染色体を調べるPGT-Aのように、自費や先進医療の扱いとなる検査もあります。

こうした選択肢が現在の施設にない場合、実施している医療機関を検討する意味があります。

通院を続けることが難しくなっている

治療は続けられなければ意味がありません。仕事との両立が困難になっている、待ち時間の長さが精神的な負担になっているという場合、通いやすさを優先する判断は合理的です。身体への負担が大きすぎると感じている場合も同様です。

説明に納得できていない

これは軽視されがちですが、重要な要素です。納得できないまま進める治療は、ストレスを増やし、判断の質も下げます。医師だけでなく、看護師やスタッフに相談しやすい雰囲気があるかどうかも、大切なポイントになります。

セカンドオピニオンという選択もある

転院を決める前に、他の医療機関で意見を聞くという方法もあります。検査結果と治療の経過を持参して相談し、そのうえで今の施設に戻るという選択も可能です。

転院しないほうがよいケース

一方で、転院が最善とは限らない場合もあります。

1回や2回、結果が出なかっただけの場合

胚移植1回あたりの妊娠率は、およそ3割から4割です。裏を返せば、多くの方が1回では妊娠に至りません。複数回を前提に考える治療ですので、この段階での転院は、かえって時間を失うことがあります。

治療の途中である場合

採卵周期の途中や、凍結胚が残っている状態での転院は、手続きが複雑になります。ひとつの周期が終わるタイミングを待つほうがスムーズです。

原因が施設側にない場合

年齢や卵巣の状態は、病院を変えても変わりません。どこで治療を受けても難しい状況であれば、転院によって結果が改善する保証はありません。

ただし、この判断はご自身では難しいものです。だからこそ、他の医療機関で意見を聞いてみることに意味があります。

転院する前に確認しておきたいこと

転院を決める前に、次の点を整理しておくと、新しい施設での相談がスムーズになります。

これまでの治療の経過

いつから治療を始めたか、タイミング法や人工授精を何回行ったか、採卵を何回行い、それぞれ何個の卵子が採れたか。受精の方法は体外受精だったのか顕微授精だったのか。胚移植を何回行い、どのような胚を戻したのか。

検査結果の数値

AMH、ホルモンの基礎値、男性側の精子の状態を調べる精液検査の結果、感染症の検査結果。これらのデータは新しい施設でも判断の材料になります。過去の数値と比べることで、変化を読み取れることもあります。

使用した薬剤

排卵誘発に使った薬の種類と量、移植周期に使ったホルモン剤。同じ薬で反応が乏しかったのであれば、別の方法を検討する材料になります。

保険適用の回数

体外受精の保険適用には、胚移植の回数に上限があります。40歳未満の方は1子につき6回まで、40歳以上43歳未満の方は3回まで。この回数は施設をまたいで通算されますので、あと何回残っているかを把握しておく必要があります。

転院の手続きと持参するもの

紹介状は必要か

法律上、転院に紹介状は必須ではありません。紹介状がなくても新しい施設を受診できます。

ただし、あったほうが確実です。これまでの治療内容が正確に伝わり、無駄な検査の重複を避けられます。特に体外受精まで進んでいる場合、情報量が多いため、書面で引き継げる意味は大きくなります。

紹介状は、現在通っているクリニックの受付や診察の際に依頼すれば作成してもらえます。費用は保険診療で数百円から千円程度です。無料ではありませんが、大きな負担にはなりません。

持参するとよいもの

■紹介状(診療情報提供書)

■これまでの検査結果のコピー

■治療の経過をまとめたメモ

■保険適用の回数がわかるもの

■基礎体温表(つけている場合)

■マイナ保険証または資格確認書

治療の経過は、ご自身でまとめておくと確実です。記憶に頼ると、採卵の回数や胚の状態といった細かい部分が曖昧になりがちです。

初診時の流れ

新しい施設では、まず問診と診察で経過を確認します。そのうえで、必要な検査を改めて行うことがあります。

前の施設の検査結果があっても、時間が経っていれば数値が変わっている可能性があります。また、施設によって検査の項目や基準が異なることもあります。すべてをやり直すわけではありませんが、ある程度の検査は避けられないとお考えください。

凍結胚をどうするか

転院を考えるうえで、最も判断が難しいのがこの点です。

現在の施設に凍結した胚がある場合、選択肢は3つあります。

選択肢内容注意点
現在の施設で移植を終える凍結胚をすべて移植してから転院する時間はかかるが、手続きは最も簡単
凍結胚を移送する専門業者を介して新しい施設へ搬送する両施設の同意が必要。費用がかかる
凍結胚を廃棄する保存を終了し、新しい施設で採卵からやり直す胚を失うため、慎重な判断が必要

胚の移送について

凍結胚は、専用の容器で温度を保ちながら搬送することが可能です。ただし、実施には現在の施設と転院先の両方が同意する必要があり、どちらかが対応していない場合には行えません。培養室の体制によっても受け入れの可否は異なります。

移送を検討される場合は、事前にご相談ください。

なお、移送には一定の費用がかかり、搬送中のリスクもゼロではありません。凍結胚の数や質、ご自身の年齢を踏まえて判断することになります。

転院にかかる費用と保険適用の扱い

保険の回数は引き継がれます

体外受精の保険適用における胚移植の回数は、患者さまごとに管理されており、施設を変えても通算されます。転院してリセットされることはありません。

新しい施設では、それまでに何回の胚移植を行ったかを申告していただきます。正確な回数がわからない場合は、前の施設に確認するか、紹介状に記載してもらうとよいでしょう。

再度かかる費用

初診料、必要に応じて行う検査の費用がかかります。すべての検査をやり直すわけではありませんが、時間が経過しているものについては再検査となります。

助成金について

自治体による先進医療費の助成制度は、治療を受けた医療機関を問わず申請できます。転院によって受けられなくなることはありません。申請には医療機関が作成する書類が必要ですので、実際に治療を受けた施設に依頼してください。

体外受精の費用については、こちらの記事で詳しくまとめています。

現在のクリニックへの伝え方

多くの方が気にされるのが、今通っている施設にどう伝えるかです。

結論から申し上げると、詳しい理由を説明する必要はありません。転院は患者さまの権利であり、理由を問われても答える義務はありません。

紹介状を依頼する際は、「引っ越しのため」「通院の都合で」といった簡潔な理由で構いません。実際、医療機関側も転院自体は日常的に経験しており、特別なことではありません。

言い出しにくい場合は、受付で紹介状の作成を依頼するという方法もあります。

なお、転院は前の医療機関を否定することではありません。合う合わないは相性の問題でもありますし、治療が進んで必要な設備や技術が変わることもあります。これまで診てもらったことへの感謝は感謝として、次の一歩を選んでいただければと思います。

転院についてよくいただくご質問

Q. 転院するとまた一から検査をやり直しますか

すべてをやり直すわけではありません。紹介状や検査結果があれば、それを活用します。ただし、時間が経過している検査や、施設によって基準が異なる検査については、改めて行うことがあります。

Q. 転院のベストなタイミングはいつですか

ひとつの周期が終わり、次の周期に入る前が最もスムーズです。採卵周期の途中や、移植の直前は避けたほうがよいでしょう。凍結胚がある場合は、その扱いを決めてから動くことをおすすめします。

Q. 転院したら妊娠しやすくなりますか

必ずしもそうとは限りません。年齢や卵巣の状態は施設を変えても同じです。ただし、新たな治療法が提案される、これまで行われていなかった検査や技術が加わる、通院の負担が減って治療を続けやすくなるといった変化は、結果に影響しうる要素です。

Q. 何回目の体外受精から転院を考えるべきですか

明確な基準はありません。ただし、同じ方法で3回程度続けても結果が出ず、次の方針についての説明も得られないという場合には、他の意見を聞いてみる価値があります。

Q. セカンドオピニオンだけを受けることはできますか

可能です。検査結果と経過を持参いただき、ご相談いただく形になります。そのうえで現在の施設で治療を続けるという選択も、もちろん構いません。

茅ヶ崎・鎌倉エリアの方にも選ばれている湘南レディースクリニック

転院を検討されている方にとって、次の病院に求めるものは人それぞれです。自分に合った治療法を選びたい方、通いやすさを重視する方、説明の丁寧さを求める方。まずはお話をしっかり伺うところから始めさせてください。

医療法人社団たんぽぽ会 湘南レディースクリニックは、湘南エリアで初めて体外受精を導入したクリニックです。開院から19年目を迎え、累計の妊娠件数は5,300件を超えました。日本産科婦人科学会の認定専門医および母体保護法指定医師が在籍し、年齢別の治療成績も一覧で公開しております。

これまでの治療の経過を丁寧に伺ったうえで、どこに課題があったのかを一緒に整理し、次の方針をご提案します。画一的なステップアップにこだわらず、その方の状況に応じた進め方を考えてまいります。一般不妊治療から高度生殖補助医療まで対応しており、婦人科や産婦人科としての診療も行っています。

胚の培養や凍結保存の設備は院内に備えており、採卵から受精、培養、移植までを一貫して行える体制です。卵子への負担を抑えるPiezo ICSIをはじめ、二段階胚移植、SEET法、子宮内膜のフローラ検査など、着床の可能性を高める選択肢もご用意しています。流産を繰り返す不育症の診療にも対応しています。

JR・小田急藤沢駅南口から徒歩2分の藤沢本院と、JR辻堂駅北口から徒歩3分の辻堂C-X院の二院体制で診療しています。茅ヶ崎からは東海道線で辻堂が1駅、藤沢が2駅、鎌倉からは江ノ島電鉄または大船経由でアクセスいただけます。土曜日の午前も診療しており、日曜日も体外受精と人工授精は完全予約制で対応しております。

転院を決めていない段階でも構いません。今の治療について整理したい、他の選択肢を知りたいというご相談だけでも承ります。医師やスタッフが今後の妊活を安心して進めていただけるようサポートいたします。ご予約はお電話またはWEBから承っています。

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