今回は不妊治療の専門的な話になります。
令和8年3月の妊娠率は、77.8%でした。
実数では、36回の胚移植を行い、28件の妊娠でした。
私が体外受精の診療を始めて28年になります。
この間に、幾つかの技術的な進歩があり、幾つかの新たな知見が得られました。
良い卵子を育てる、複数の卵子を獲得するため排卵誘発剤を用いる、採卵のタイミング、一つひとつの積み重ねです。
精子が少ない、運動率が低い場合には、自然に受精しないために顕微授精が行われるようになりました。
そして受精の環境を整える胚培養液の開発、それにより当初は2日目までしか育てられなかった胚を5日目、6日目まで延長して、胚盤胞という段階まで育てられるようになりました。
当初は、得られた胚はすべてそのまま子宮に戻す胚移植が行われ、複数の胚が着床し多胎になることも多かったです。
胚を凍結することが必要とされ、胚の水分を脱水しながら凍結する方法から、現在のガラス化法という急速な凍結法へと進展しました。
これらは、20年ほど前までにほぼ完結して、実はその後に新しい技術は何も無いのです。
その後、私たちは見かけ上で良い感じの胚に、それこそ願いを込めて神頼みする、という時期が続きました。
この頃は、妊娠率は2割ほどでした。
それでは、なぜ当院でこれほど妊娠率が高くなったかといえば、適度な胚の選別と子宮内環境の評価が進んだことによります。さらに免疫学的な治療、移植時期の調整も一助となりました。
これらは何処の医院でもある程度は行われますが、それだけでは差別化できません。
よく「企業秘密」と言われますが、藤沢市、湘南地域だけでなく、横浜市、東京都内、最近は名古屋市などから私どものクリニック選んで治療される患者さんには、成功の秘訣を授けてまいりたいと思います。
そして何より、今回上手くいかなかった患者さんには、今度こそという意気込みで頑張ってまいります。